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精神と時の部屋(孫家の場合)

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精神と時の部屋(孫家の場合)











「どうした悟飯、緊張してんのか?」



突然後ろから声をかけられて小さな肩がビクッと震えた



その小さな体を安心させるかのように肩に触れる父



歯を見せて二カッと笑う笑顔が眩しい




「・・・///」



悟飯は何だかくすぐったい気持ちになって何も言えずに顔を赤らめた







父親とこれから1年間の修行に入る



こうやって一緒に修行ができるなんて



しかも1年間も一緒に



外の世界では1日でもこの場所では1年分の修行ができるという




とても不思議な空間




得体の知れない場所に行く恐怖と期待と



大好きな父親とずっと一緒にいられるという嬉しさで




悟飯の精神状態はいささか不安定でもあった






「悟飯!でぇじょぶだ!オラが一緒だから何も心配することねぇぞ!」



肩に置かれていた手にギュッと力がこもる




このあっけらかんとしたところが孫悟空という男の偉大さを物語っている







いつもそうだった




どんな強い敵が現れても、悟空がいればきっとなんとかなる




周りのみんなもいつもそう言っていた




そんな父親の姿を悟飯はずっと傍で見てきた




そんな父親を大好きな父親を



少しの間だけ、独り占めできる



悟飯は嬉しくて嬉しくて飛び上がりたいくらいの気持ちでいた









「あの、トランクスさん達そろそろでてきますかね?」



悟飯は自分の照れを隠すように偉大な父親を見上げた




「あぁ、そろそろだと思うぞ」


そういうと悟空は精神と時の部屋の扉を見つめた




あと数分でべジータとトランクスが入って1日が経つ



入り口の傍にはミスターポポの姿もあった


ポポもそろそろだろうと悟空と目を合わせるともう一度扉を見た







ギギッ・・・


扉が開く




べジータとトランクスが順に扉から出てきた




1年という期間はサイヤ人をここまで成長させるのかと



言わずともあふれ出てくるパワーを悟空も悟飯も感じていた








次は自分達の番なんだと改めて自覚させられる



べジータやトランクスがセルを倒してくれたらどんなにいいだろう



そう思えた




だが同時に自分も戦いたいと思ってしまう




悟飯の胸中も穏やかでいられない




サイヤ人とはやはり戦闘民族なのだと思い知らされる




父親も同じことを考えているのかな、と悟飯は悟空の顔色を伺う






その横顔は希望に満ち溢れる顔だった




悟空は戦友の成長に心を躍らせていた




自分にはどれだけの力が秘められているんだろう




底知れないサイヤ人のパワーを知りたい






「悟飯!行くぞ!!!」



「はい!お父さん!!!」



悟空の大きな声に感化され、悟飯も大きく返事をした







この部屋の中で自分はどれだけ成長できるのだろう



お父さんに少しでも近づきたい


強くなったなって褒めてもらいたい


お父さんの子供だって胸を張って言いたい




こうして親子は修行のため扉をくぐるのであった





















☆あとがき☆


孫家はやっぱええなぁ。萌えるなぁ///と興奮気味でアニメを見ていたのを思い出します。

当時は悟飯ちゃんの「はいっ!」にいちいち萌えながら作品を見てましたね。

この可愛い悟飯ちゃんを次のお話では少しだけ野獣にしてみようかとwww

チチに「オラの悟飯ちゃんが不良になっちまっただ!」って大騒ぎされたいですw